忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

このところ週末になっても、いまひとつ客足が伸びず手ごたえがありませんでしたが、
先週からロビーは大きなツリーに彩られ、ようやく売場も活気を取り戻し始めました。

一日の総売上のうち、半分以上を自分が売った時はとても気持ちがいいです。
今週はそんな日が続きました。


今日はオフなので、朝からクローゼットの整理をしていました★

今年の話題の書籍にもなった『人生がときめく片づけの魔法』の著者
近藤麻理恵さんの哲学や、言葉の選び方、物との向き合い方に触れ
「これならできるかもしれない」と、思い立った私は、これまでこの家にいてくれた
沢山の服たちに「ありがとう」と伝えながら、着なくなったものを次々に手放していきました。
腰痛と腹痛に時々中断させられながらも、なんとか明るいうちに作業を終え、ひと安心。

通勤の際のコーディネートに迷わなくて済むよう、最初にアイテムごとの分類をしたあと、
さらに色別で分けたら、とても探しやすくなりました♪

自分の心がワクワクしないもので溢れかえった環境で生活するということは、精神衛生上
とても良くないことであると数年前の失恋で学んだ私は、捨てることにためらいを感じなくなり
あの頃よりも、落ち着いて物事を判断できるようになりました。好きなアイテムに囲まれる事で
幸せな自分のイメージが描きやすくなったのです。

こうして休日の午後、ひと段落した私が手にしたのは、DVD 『プラダを着た悪魔』でした。

実在した人物がモデルなだけあって、世界観の描き方にも真実味があり、
クールなカメラワークにも魅了されました。

文章を書くことが好きで、ジャーナリストを志す主人公アンディ。方々に電話をかけ
ようやく返事がきたのは、イライアス・クラーク出版社。

世界中の女性が憧れるファッション誌 『RUNWAY』 編集部。

社員の誰もが恐れる鬼の敏腕編集長・・ミランダ・プリーストリー。

その雰囲気たるや、まさに私が勤務初日にみたエリアマネージャーの姿そのものでした。

同ビル内の5つの店舗を手がけ、今年6月には別のビルにも新しく店を出した彼女の言葉には
一切の隙がなく、言い訳の余地などありません。煌びやかな売場の裏では
毎日のように各店舗の人が順番に状況報告に呼び出され、手厳しい事を言われた社員は
またキビキビと自分の売場へ帰っていくのです。時には、悔しさに顔を歪めながら・・・・・

彼女の電話一本で『戦闘態勢』に入るスタッフの緊迫感。そして仕事の指示の出し方も
スピードも、クリーニングの服の受け取りを社員に任せているところまでも、驚くほどに一致。

・・・いやぁ、この人物描写は見事でした☆

東京もニューヨークも、大企業でトップに立つ女性というのはこういうものなんだなぁ・・

私がそれまで見てきた女性上司というのは、本屋さんや下町のゲストハウスなど
親しみやすい世界にいらした方ばかりなので、厳しさの中にも確かな温もりがあり
最後にはちょっと涙しながら笑って肩を抱き合えるようなお姉さん的存在でした。

なので、ここまで徹底してクールでパキパキのキャリアウーマンというのは
物語の中でしか見たことがなかったのです。

唯一似た人物がいた事を明かすとすれば、それは男です!(苦笑)

【K】という記事の中で、以前ご紹介したマネージャーは若干26歳にして
ゲストハウスの1店舗を任され、幹部からも一目置かれる頼もしいリーダー。
頭の回転も早く、一つの提案に対して起こりうる問題点の指摘もとにかく早い!
そんな彼からは在職中、凄みのあるお叱りを何度もいただきましたが
今のエリアマネージャーは実にその20倍以上の迫力があると感じています。

勤務2日目、先輩社員が戻ってくるまでの間、バックヤードで待つよう指示された私は
ポケットからメモを取り出し、ストックの位置と商品の名前をいち早く頭に入れようと
ラベルと箱の並び順を写し取りながら必死でペンを走らせていました。

すると、ついたての向こうから先輩社員を叱るマネージャーの大きな声が・・
思わず肩がビクっとなって、手を止め、そちらの方向を見ました。
自身も今後の為に、どのような状況に気をつけながら仕事に当たればよいのか、
またどんな事に対して、その社員を叱っているのかを聞いてみようと思ったのです。

「何でも"ご相談、ご相談、最終判断はマネージャーに”・・って
いつでも誰かが助けてくれるわけじゃないのよ!○○さんは、そうやって甘えているのよ!」

「もっと人を見て、状況を見て、すぐに言うべき事と、後でいうべき事の区別をつけなさい!」

「何をいくつ、いつまでに、どうやって・・って具体的にイメージできる物を用意してから
話をもってくるの。自分達の頭の中で考えている事を、ただ言葉で伝えるだけではダメ。」

「やれるべき事をやり尽くして、この結果が堂々と言えるようにするの!」

気がつくと私は、それまで手にしていたメモの裏表紙を開き、聞こえてきた言葉を夢中で
すべて書きとめていました。なんだか身につまされるような言葉ばかりで、決して今ここに
居合わせた事は偶然ではないし、その先輩社員さんだけに言っている言葉ではないんだと
肌で感じたからです。

そうして戸惑いながらも決意し、素人なりに精一杯吸収しようとしてきた一年だったので
この作品を見るにはちょうどいいタイミングだったかもしれません。

これは、信念がありながらも今ひとつ状況を打破できない女の子が
ただ鬼上司にシゴかれて変身していくという単純なサクセスストーリーではありません。

変わっていく自分自身の中で、ただ一つ変わらない自分にようやく辿りついた瞬間
くるりと上司に背を向けて、本当にやりたかった事に向かっていく姿に共感を覚えました。

反抗ではなく、目覚め。

いずれは出版業界に進むであろう事は想像していましたが、まさかあのような形で
彼女の元を去るとは思いませんでした。

こうして、New York Mirrorに履歴書を送ったアンディは後日面接へ。
「我々が求める完璧な書き方だ」と絶賛する、編集長。

”The only a question is Runway."

突然Runwayを1年足らずで辞めた経緯が気になり、編集部に問い合わせたところ
ミランダ・プリーストリー本人からこんな返事が来たと、続ける編集長。

In all of her assistants she ever had, you were hired by the biggest dissapointment.

And if I don't hire you, I am an idiot.


これほどまでに素敵な採用の言葉があるでしょうか。

そうして念願の出版業界へと駒を進めたアンディ。
面接を終え、アシスタントの先輩エミリーに電話を入れます。

「パリで着た服が山ほどあるの。もう着ていく場所もないから、貰ってくれないかしら」

悲運の事故の中、自分を出し抜いていった最高のライバルであり
信頼できるパートナーだったアンディからの思いがけぬ言葉。
辛かった思いがようやく報われ、瞳を潤ませる先輩の最後のシーンも良かったです。

こうして約一年、死ぬような思いでアシスタントを勤めてきたRuway編集部のビルを
晴れ晴れとした気持ちで見上げるアンディ。
目線を下ろした先には、次の現場へ向かおうとするミランダ。

通りの向こうで笑って手を振るアンディを数秒、じっと見つめたあと
また何事もなかったかのようにサングラスで目を隠して車に乗り込みます。

それまでのブランドを脱ぎ捨て、自分が一番好きな服を着て
堂々と自分の元を去っていく彼女を思い、わずかに微笑んだあと
いつもの冷たい表情に戻り"Go"と、運転手に言い放つ最後のセリフは
彼女らしい、とってもクールな最高のエールだったと思います。

それぞれの人物の葛藤はきちんと描きながらも、余計なべたつきがなく
爽快な映画でした。翻訳も自然で良かったと思います。

そして、忘れちゃいけないのが作品のキーマンでもある、役者スタンレイ・トゥッチの存在です。

以前『ターミナル』の記事でも、主人公を追い詰める保安局長代理の役として紹介しましたが
彼とメリルは2年前日本で公開されたJuly&Juliaでも、深く愛し合う夫婦役として共演しています。

スタンレイは、ヘアスタイルも顔のつくりもシンプルでいて、味のある役者なので
本当にそこに居そうな雰囲気を醸し出しています。そして何を見ても、とにかく間が絶妙。

"Andy, be serious. You're not trying, you ARE whining. ...Wake up "6" !
She is just doing her job. ”

”Do you think is this just a MAGAZINE? This is not just a magazine."


と、ファッション業界で多くの伝説を残した人物が、Runwayの読者であったことを聞かせ

"Wake up, sweet heart."

最後にはそっと、ペンで彼女の眉間を突きながら、彼女の無知や甘えに気づかせます。

そして、「ここには6号の人間が着れるサイズなどない」と、言いながら
社内にある何百ものコレクションの中から、アンディに合った服や靴などを次々と選び
「次は美術部だ。何時間かかるか・・」と、皮肉りながらも笑顔で彼女をリードしていきます。

頭は冴え、常に冷静でいて、いつもどこか温かい。

眼鏡を光らせながらも、その奥では相手の内なる可能性を見出している。

彼がそうして現実を知らしめながらも、見捨てずにさり気なく救ってくれるからこそ
主人公は生き生きと自分のやりたい事を貫き、一つの新たな道を切り拓いてゆける・・

そんな役どころも実はこの3作に共通していて、物語を一層みごたえのあるものにしています。

このDVDは、あさってには返却しなければなりませんが、自分の手元に置いておきたい作品の
一つになりました。ニューヨークならではのかっこいいセリフもいっぱいあったので
今度はぜひ購入し、またじっくりと新たな魅力を見つけたいと思います。

この主人公と同じく、ファッションや雑貨の事など何も知らない私を、あの敏腕マネージャーが
たった10分足らずの面接で雇って下さったこと、そして半年足らずで自身の手がける店の中でも
最も力を入れている店のスタッフに抜擢して下さったことに、今はただ感謝しながら
1冊目のノートの裏表紙こっそり書きとめた、あの小さな字を再び読み返すのでした。

















PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プラダを着た天使
こんにちは。

先日はお店に来て下さったみたいで、有難う!次回は是非、元気なお顔を見たいです。

今の職場には、けっこう厳しい上司の方がいらっしゃるんですね。
緊張感も高まっちゃうし、大変だと思うけれど、そのぶん、沙りさんにとって学べる事もとても多いだろうと思います。

年末へ向けてがんばって下さいね。

「プラダを着た悪魔」は、まさにベストなタイミングの映画でしたね!
仕事は完璧に出来て当然、ミランダはそれよりもず~っと上を要求していて、自分に対するのと同じくらい部下にも妥協を許さない人なんだよね。

私もNew York Mirrorでの面接のシーンが大好き。
この映画は働く女性に元気を与えてくれる作品でしたね!

でも英語のセリフ、よくピックアップ出来たね~。流石です。ドラマを見ながら、英語もきちんとチェックしているのが凄いです。

追伸*
沙りさんのところって、TB出来るのかしら?TB用アドレスがないみたいだけど・・。ちょっとトライしてみます。入らなかったらごめんね~。
ごみつ 2011/11/23(Wed)14:30 編集
☆。.*・'゜'・
こんにちは!応援メッセージありがとうございます。

「仕事は完璧に出来て当然、ミランダはそれよりもず~っと上を要求していて、自分に対するのと同じくらい部下にも妥協を許さない人なんだよね」

うちのマネージャーもまさに、ごみつさんのおっしゃる通りの方です!

アンディとミランダのように、私がマネージャーと直接面と向かって仕事のやりとりをする事は殆どないのですが、よく店の裏や売場に突然現れるので、見つけた瞬間にサーっとなります(笑)

内線が鳴った時はちょっと緊張しますね。先輩社員さんがいらっしゃらない時に、居場所と戻り時間を素早く正確に答えるようにしてるので、来たばかりのアンディの気持ちは手にとるようにわかりましたw

それから「デマルシュリエ」に響きがちょっと似ている取引先があるので、初めて聞いた時にうまく発音できなかったところなんかも、かなりピンポイントで笑っちゃいました。

ミランダの最初の登場シーンで、部下に次々と指示を出しながら長い廊下を歩いてくる時に、向こう側から来ようとした人が、ミランダを見つけた瞬間「ハッ」っとなって、みんなサっとUターンするのも面白いですよね^^

不思議と共通点の多い映画でした★

「コレ見てみようかな」と、思って実際に入ってきた情報は「その時の自分」に必要なものだったんだなと思う事が多いですが、映画との出会いもまさにそうなんだなと実感できました。

さて、ご質問の件ですが、以前にもターミナルやもんじゃの記事をTBして頂いているようなのですが、その時はきっと記事のURLはちゃんと表示されてたのですよね?

以前と設定は変えてないのですが、たしかにTrackbackを押しても、「この記事をトラックバックする:    」と表示されるだけで、その後のコマンドのボタンとか出てきてませんね・・う~ん、なんでだろう。

ちょっと調べて、またお返事しますね!
沙り 2011/11/26 10:42
ごみつさんへ★追伸
TBの件、あれから色々試みましたがやはり原因究明できません。

FAQを見ても、明確な答が得られていないので、ひとまず普通にアドレスをコピペして紹介コメントをつけるような感じでも宜しいでしょうか?

ところで先ほど、別の日にまた「ついたての向こう」から聞こえてきたMGの言葉を思い出しました。

一時間以内に作りなさい!!

その日は特に大きな声で、同時にピシャっと先輩が作った原稿を机に叩きつける音が聞こえました。

私に最初に仕事を教えてくれた先輩の肩が、とても小さく見え、私は祈るような気持ちで扉を閉め、すぐに用事を済ませて売場に戻りました。

でも、その先輩は毎日どんなに怒られようとも、微笑みを絶やしません。それが本当に素晴らしいと思います。
沙り 2011/12/08(Thu)01:32 編集
≪Being  | HOME |  贈り物≫
[78]  [77]  [74]  [71]  [70]  [69]  [68]  [67]  [66]  [61]  [59
Latest
(06/30)
(12/11)
(11/27)
(10/10)
(02/29)
Calender
06 2017/07 08
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
Old Notes
(01/01)
(01/01)
(01/02)
(01/06)
(01/30)
Your words
[03/01 ごみつ]
[12/09 ごみつ]
[12/08 沙り]
[11/23 ごみつ]
[10/29 ごみつ]
Me
HN:
沙り
年齢:
35
HP:
性別:
女性
誕生日:
1982/02/14
職業:
セレクトショップスタッフ
趣味:
ジョギング・写真      伝統芸能・祭・旅
自己紹介:
生後3ヶ月の頃
母に抱かれながら
生まれた喜びを
懸命に伝えようとする声

我が家で大切に
保管されている
カセットテープには
そんな私の
「言葉」と「人」への
純粋な思いが
残されています

交換留学先の
オーストラリア

高校演劇の稽古場と
体育館の舞台

留学生たちと語り合った
外語学院のカフェテリア

母国語とは何かを
教えてくれた
日本語教師養成学校

身を削りながら
学費を稼ぎ出した
グランドホテル

20代を語る
全ての背景となった
駅前の洋書売場

大好きな隅田川の
ずっと先にあった
浅草のゲストハウス

そして

旅人達のターミナル・・


気がつくと
その学び舎で得た事は
すべて
外国の方々の笑顔に
繋がっていました

日本語を学びたいと
心から願う人たちの為に
どんな形でも
教える場を設け
共に学んで行く事が
私の夢です

ブログ内検索
Admin / Write
忍者ブログ [PR]